導入サービス:パーソナルスリープチェックMy Sleep、睡眠セミナー
導入企業:株式会社ラフール様
インタビューさせていただいた方(株式会社ラフール):
執行役員 ビジネスデザイン部 部長 兼 人事責任者 宮内 智弘様 (写真左)
総務労務法務グループ マネージャー 与那覇 和人様(写真右)
インタビュアー:株式会社ニューロスペース 取締役COO 香山由佳
2022年9月、株式会社ラフール様にて、自社で運用している『ラフールサーベイ』で定点的に取られているサーベイ結果から判明した睡眠課題への取組みの一環として、全従業員向けにパーソナルスリープチェックとそのチェック内容にもとづく睡眠セミナーを実施しました。
ラフール様は「個人が変われば、 組織が変わる」組織改善サーベイ「ラフールサーベイ」を提供し、ウェルビーイング/人的資本経営支援を行うスタートアップ企業です。
ラフールサーベイ ご紹介ページ:https://survey.lafool.jp/
従業員のエンゲージメント、メンタルヘルス、プレゼンティーズム等の状態について、サーベイ等での定点的な観測を行う企業は増えている一方で、その打ち手まで踏み込んで取り組めている企業は未だ少ない現状があります。
今回、サーベイ結果をもとに睡眠施策の打ち手を取られたラフール様に、その取組みの背景や従業員さんの反応についてお伺いさせていただきました。
■導入の背景について
────どのようなきっかけで、睡眠施策を導入いただきましたか?
自社でのサーベイを通じて、従業員の半分近くが睡眠に課題を抱えていることがわかり、定点観測する中でも改善の傾向はみられていませんでした。特に、特定の年代での悪化も判明していたため、組織として必要な対応を行うことと同時並行で、睡眠に対する改善意識(危機感)を高めてもらい、同時に対策も伝えることでセルフケアにつなげたいと考え、すぐに導入を決定しました。
<同社のラフールサーベイ結果(一部のみ抜粋)>
メンタル、フィジカル、エンゲージメント、人間関係、組織関係、仕事内容、社内外ハラスメント、離職リスク、高ストレス者、ESG施策チェックをはじめとした、総合的な人材データの集積が可能
ラフールサーベイ内の設問「Q:日中眠くなる」の回答データ
また、今回ニューロスペースさんにお願いしたのは、社内で呼びかけるだけでなく社外の力を使っていくことで、より従業員に聞いてもらいやすく届きやすくなるという期待がありました。また、MySleepのアンケート回答結果(※)をもらえるため、年代別や部署別当でサーベイ結果とのクロス分析が可能とも考え、それも有効と感じました。
(※)ご希望される企業様には個人が特定される情報は除外したうえでご連携させていただくことが可能です。(ニューロスペース注記)
■導入後の反応
────導入後の皆さんの反応はいかがでしたか?
罪悪感が消えたという声が印象的でした。当社はフレックス制で自由な働き方を推奨しています。一方で、これまでは、自分が周りよりも夜遅くに寝て、朝も遅く起きてしまうということ自体に罪悪感をもっているメンバーもいたのですが、それはそれでいいんだ、人によって朝型や夜型など傾向が違うんだ、ということが、セミナーやMySleepのデータを通じて明らかになったことで、罪悪感が消えたという声が多く挙がっていました。
さらに、同じチームのメンバーが働きやすい時間帯に会議を設定しよう、などの配慮など、意識改革になったかなというのは実感としてありますね。
また、人事の立場としては、これまではサーベイで課題があることはわかっていましたが、どこから重点的に取り組んでいけばいいか不明瞭でした。今回MySleepで集計いただいたフィードバックの結果を受けて、その要因や取り組むべきことがよくわかってきました。
<従業員さんからいただいた感想(一部抜粋)>
- 「朝型」「中間型」「夜型」の3特性のお話が一番参考になりました。私は夜型のようですが、体内時計24時間より長い、完全に納得しました。眠りにつけば長く眠れる人間なので、時間通りに起きるため、早く眠ることを意識したいと思います。
- 提示されるデータがわかりやすく、睡眠の重要性や質の向上のためにやるべきことがよく理解できました。
- 「夜型」は遺伝レベルの特性だと聞いて、安心しました。(てっきり寝坊助だと思っていたので!)
- ファクトベースのレクチャーで納得感がすごくありました。講師の方がワーママで明らかに睡眠不足になりそうなところ、7〜8時間睡眠をとれるように生活を調整している、とのことで素敵でした。
- 今実施している対策は間違っていないことが分かったので、継続したいと思いました。
- 終業後家事に追われて結局時間がなくなるので、週に何日かは早めに仕事を切り上げて、リラックスできる時間、睡眠時間を確保できるように意識しようと思います!
- 睡眠を中心とした生活、という視点が新鮮でした。確かに睡眠時間は後回しにする傾向がありましたが、パフォーマンスを上げるためのメンタル・フィジカルの土台作りに睡眠は欠かせないということを再認識したので、まずは睡眠時間を確保できるよう時間の捻出に努めたいです。
■スタートアップ企業の健康投資について
────健康経営の取組みは大企業を中心にかなり浸透してきていますが、一方でスタートアップでは従業員の健康投資に取り組んでいる企業はまだわずかという印象です。ラフール様では従業員の健康投資についてどのように考えられていますか?
私たちは、組織や個人がウェルビーイングな状態であればパフォーマンスが上がるという考えを根底の軸にもっています。これは、パフォーマンスを上げるためには、まず心身共に健康状態じゃないとパフォーマンス向上につながっていかないよね、という考え方です。
周りの企業では、業績向上がが優先順位が高く、従業員の体調などのケアの優先順位は低いという上下関係が見受けられます。それは日本人の国民性も背景にあるかもしれませんが、我慢が美徳とされていたり根性で何とかしてきた歴史があるからだと感じます。
でも、我々はそうではなく、会社としてパフォーマンスを高めていきたいなら、まず従業員に心身共に健康になってもらうということが基本だと思っています。
スタートアップは、忙しい、余裕がないということが先に来るのではなく、やるべきことがいっぱいだからこそ、まず土台となる従業員の心身の健康を整えないと沢山の大きな壁をクリアしていけないと思っています。
スピードと創造性が求められ続けるスタートアップこそ、従業員の心身の健康、つまりウェルビーイングな状態が競争力の源泉であることをより意識しなければならないと考えています。
■従業員に展開する際の難しさ
────従業員さんへ健康施策を展開する際の難しさはありますか?
一番は、健康増進や維持に関して、今やる意義が見いだせないというメンバーはいると思うんですよ。頑張れちゃう。頑張って仕事バリバリしたいし、健康も睡眠も後回しでいいよね、という声がやっぱり課題としてあると思ってます。逆に課題を感じているとしても、どうしても変えられない、自分のスタイルだからというメンバーもいますね。
会社として一番大事なのは、ウェルビーイングの状態を創り一緒に成長していくというメッセージを会社のビジョンやミッションにまで落とし込んでメンバーに伝え続けていくということが大事だと思っています。この数年ずっと取り組み続けていることですね。
スタートアップに入ってくる人は仕事へのエネルギー量がある人が多いですが、やはり心身の健康やその先にあるウェルビーイングとのバランスですよね。そのバランスを見ながら、どこにどう指針を引いていくのかは、人事や経営が采配していかなければいけないですね。
難しさはある一方で、心身共に健康状態であるからこそ、パフォーマンスが上がるということを自社が率先して体現していきたいと思っています。
ニューロスペースより(編集後記)
ラフール様では一人ひとりに併せた自由な働き方を導入・推奨されています。一方で、働き方に裁量があるがゆえに、または多少無理をしてでも仕事をしてしまうがゆえに、なかなか自分の生活リズムをマネジメントしにくい状態にある従業員さんもいらっしゃることが、事前にMySleepチェックのデータから見えてきました。
そのため、MySleepスリープチェック後に開催した睡眠セミナーでは、より重点を置いて、自分のパフォーマンスが出やすい特性を理解いただくこと、その特性は一人ひとり異なること、組織として発揮していくポイントをお伝えさせていただきました。
<セミナー資料一部抜粋>
ラフール様がインタビューで仰っていた「やるべきことがいっぱいだからこそ、まず土台となる従業員の心身の健康を整えないといけない」ということは、スタートアップ企業だけでなくすべての会社に通ずる大切な考え方であると感じます。
睡眠は心身の健康を支えるとても大切な存在である一方で、働き方や生活の影響を大きく受けやすい存在です。ニューロスペースは、これからもスタートアップ企業から大企業まで、あらゆる会社で、あらゆる業種・職種の働く人の眠りをサポートしてまいります。