待ちに待った長期休暇だ!と嬉しくなりますよね。一方で、お休みは私たちの身体と脳にとって、マイナスの意味での非日常ともなりえます。特に、起きる時間や寝る時間が変わることで体内時計が平日と大きくずれ、それが休み明けのだるさやパフォーマンス低下につながります。
今回は、連休を充実させると同時に、身体に負担をかけず、休み明けも仕事でいつも通りのパフォーマンスを出すための「睡眠の技術」をまとめました。
1. カーテンを開けて寝る
私たちの視覚は目をつむっていても外の光を感受することができます。それゆえ、寝室に光が入りやすい状態で寝ていると朝に自然と光を感知し、いつもと同じ時間帯に起床しやすく、体内時計が整いやすくなります。
特に、連休中に大きく生活リズムが崩れてしまっていた人は、休み明けの朝、とても起きづらいと感じていませんか?朝の光に起床を助けてもらいましょう。ただし、日が昇るタイミングで目覚めやすくなってしまうので、睡眠時間自体が短くならないよう、就寝時刻を早めるようにしましょう。
2. 平日と近い時間帯に一度起きて光を浴びる
睡眠覚醒リズムは起きて光を浴びることでスタートします。そのため、連休中も遅くとも起床時間を「平日±2時間」の範囲にとどめて光を浴びることで、しっかりとリズムを作ることができます。リズムを作ってからであれば、二度寝や寝だめをしても身体に負担はかかりづらくなります。
3. 二度寝や昼寝は、夜睡眠の7時間前まで
2のとおり、二度寝や昼寝も問題ないですが、しかし1つ注意するべきが、寝るタイミングです。私たちの睡眠には恒常性という特徴があり、起きている時間が長いほど寝付くための力(睡眠圧)が蓄積されます。帰宅時の電車で寝てしまい、夜に寝付けないという経験がある人もいると思いますが、原理はこれになります。二度寝や寝だめや昼寝をしても、本睡眠の遅くとも7時間前までに留めることがポイントです。
4. 休みの後半は平日のリズムを強く意識する
休みが残り2日ほどになったら、少しづつ平日のリズムを身体に刻み初めましょう。この時も有効なのが日光です。平日の起床時間のタイミングにいつも以上に多く日光をたくさん浴びるようにしましょう。特に午前中に浴びる光はリズムを作るだけでなく体内時計を前倒ししてくれるので、早寝早起きのリズムに近づけることが出来ます。
以上、睡眠の技術を4つご紹介しましたが、現代社会には、私たちの身体や脳にとって理にかなわない環境がたくさん存在するため、全てを合理的にコントロールしようとすると生活に支障が出てしまいます。睡眠においては、技術を上達させ、「BESTではなくBETTERな状態」を作ってあげる意識がとても大切になります。睡眠の技術を有効に活用して、充実した休みを楽しんでください。
(「10連休、健康とパフォーマンスをアップする睡眠の技術」(ニューロスペース・小林孝徳)を再構成)