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株式会社ワーク・ライフバランス

「寝不足自慢」にピリオドを。働き方改革を後押しする睡眠の可能性

· レポート

働き方改革の第一人者である株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役の小室淑恵様との対談がForbesJapanで記事化されました。本質的な働き方改革の後押しとして、睡眠を可視化して振り返る習慣をつくっていく大切さについて、両社で取り組んでいる事例や社会背景なども交えてお伝えしています。

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<記事より一部抜粋>

小林:「このままではいけない」と思い、睡眠について調べてみたんです。すると、日本だけでも睡眠の問題によって3.5兆円の経済損失が生まれていることがわかりました。ところが、睡眠に関するビジネスについて調べてみたら、枕や布団といった寝具に関するものと、不眠症や睡眠時無呼吸症候群に関する医薬品や医療機器に関するものしかないんですよね。ダイエットにおける体重計のように、睡眠をセルフケアする仕組みがないことに気付きました。

それに、いくらビジネスとして整備しても、大前提として世の中がビジネスパーソンたちの睡眠を尊重にする文化がないと根本的に変えていくことはできません。「だったら自分が睡眠を大切にする文化をつくるしかない」と一念発起し、2013年12月に“スリープテック”を手がけるニューロスペースを立ち上げました。

 

小林:社内の一人ひとりがチューニングできれば、仲間への思いやりもできるようになるし、チーム全体の雰囲気も絶対に良くなる。結果として、売上も出るし、さらには企業価値につながっていくと思っています。それがニューロスペースのコンセプトです。

 

労働力が減ってきているからこそ、睡眠時間を確保すべき

小林:小室さんはここ数年、講演で睡眠の話を取り入れるようになったと聞きました。働き方改革が進むなかで睡眠に関する考え方の変化などはあったのでしょうか?

小室:やっと睡眠について話ができるフェーズになったと言えるでしょうね。2019年4月から改正労働基準法によって時間外労働は月45時間、年360時間という上限規制ができて、「成果を出すためには時間がかかるのは仕方がないから残業は制限するべきではない」「残業している人のほうが組織にとって助かる人だ」というような論調はさすがになくなりました。ただ、月45時間という上限があったとしても、たとえば「繁忙期だから」という理由で3日ぐらい徹夜させるような働かせ方はまだまだ起きています。労働人口が減少傾向にあるなかで、この法改正だけでは、過労死や精神疾患はなくならない。もっと1日ごとの睡眠時間に注目していかなければいけないと強く感じるようになりました。

 

小室:そして個人的には勤務間インターバル制度を義務化しなければいけないと思っています。EUでは、前日帰宅してから11時間経たないと翌日の業務を開始できない「インターバル規制」がすべての国で批准されています。2019年に労基法が改正されてインターバル規制は日本でも「努力義務」になり、次の労働基準法の改正は5年後で義務化されると予想されています。しかし、それではあまりにも遅い。その間に日本は少子化が加速して、救いようのない状態になってしまうので。ここ1〜2年で前倒しで議論されるようになって、世の中のムーブメントが法改正を選考するような状態をつくっていきたいですね。