2021年10月8日、自民党の竹本直一議員が発起人を務める、メンタルヘルスを考える議員懇談会にて基調講演をさせて頂きました。(タイトル:『睡眠は技術!睡眠負債ワースト1位 日本の現状と睡眠が経済に与えるインパクト』)
当日は議員会館での講演と併せてオンラインでもLIVE配信を行い、100名近くの皆様のご参加をいただきました。講演録画を公開しておりますので、こちらよりぜひご覧ください。
こちらの記事ではサマリーを記載しています。
講演内容概要
これまで産業現場での睡眠施策は、取り組むことの意義や金銭的なメリットがわかりにくく、企業としても従業員が個人で管理するべきものと考え、ほとんど取り組まれてきませんでした。
一方で、睡眠とメンタルヘルスはとても深い関係があることはわかっており、産業現場でおきる体調不良、遅刻欠勤、生産性の低下そしてうつ病などに悩む多く方々は睡眠障害を抱えていることもわかっています。本来、表裏一体である会社の労働と従業員の睡眠を切り離して考えることは、メンタルヘルスの問題に向き合っていく中で本質的な解決につながりません。
本講演では、睡眠の国際比較、国内での睡眠課題をマクロ的な数字で捉えた上で、睡眠の役割や睡眠が阻害されることによる健康被害や悪化しやすい疾患、睡眠障害が企業や社会に与える影響をエビデンスとともにお話させて頂きました。
そして、これまで当社の睡眠改善プログラムを導入頂いた企業様での改善事例と、従業員の方の生の声、そして2021年8月に早稲田大学からでた睡眠施策での介入の経済的効果に関する論文を通じて、睡眠施策を企業で実施することは従業員が抱える睡眠課題を解消していくにとどまらず、経済合理性があることに言及しています。
3つの施策の提言
今後、国際比較でもワースト1位である睡眠課題を抱えた日本の現状を変え、より良い社会を実現していくために、国を挙げて具体的に取り組むべき3つの施策を提言いたしました。
1.勤務間インターバル制度とリモートワークの推進
2.フレックス勤務制度の普及
3.睡眠衛生リテラシーの認知と社会実装
厚生労働省のコメント
本講演後に、厚生労働省からコメントをいただき、提言の方向性は国が検討を進めている方向性と一致している旨のお話がありました。内容を下記に抜粋いたします。
- 2014年に厚労省からエビデンスをもとに出している「健康づくりのための睡眠指針」(上記スライドにも掲載)を普及していかなければいけない
- 直近の国民栄養調査で「何が睡眠の妨げになっているか?」という設問に対して、30-40代の男性の40%が仕事、30代の女性の30%が育児が影響していると回答している。やはり、企業がワークライフバランスの理解を深めていくことが、より良い睡眠につながっていくだろうと感じており、提言された方向性は一致している
- 職場におけるメンタルヘルス対策に関して、睡眠の重要性を認識しているものの、まだ産業現場での取組みに力を入れてこれていない一方で、ストレスチェックの調査項目でも睡眠はあり、今後注視していかなければいけない
- 睡眠と労働時間の関係性は深いことはわかっており、勤務間インターバル制度の義務化に関する提言についても心強く感じている
ニューロスペースは、眠りの不安が解消し、持続的に発展する社会の実現に向けてこれからも邁進してまいります。