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Fitbit有効活用への道(その1)

ニューロスペースが見るポイントとは

おすすめ:Fitbitなど計測デバイスをすでにお使いの方、購入を検討されている方

ニューロスペースでは、Fitbitなどの睡眠計測デバイスを使った睡眠改善プログラムや睡眠データ等にもとづくアドバイスをしています。その中で、すでにデバイスを使われている従業員さんから、このような声をよく聞きます。

「使ってはいるんだけど何を見たらいいの?」

「スコアは表示されるけど、どうも体感と合っていない気がする…」

「見ても自分の眠りがよいのか悪いのかよくわからない」

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せっかく買ったデバイス。

モヤモヤを解消して、有効活用しまくってほしい、もっと睡眠を可視化する文化が広まるといいなと思っています。

数多くの睡眠デバイスを利用し、多くの方の睡眠データを見ている当社から、「今日からすぐに使える"画面を見るだけで"わかるポイントと、より良い眠りのための活用の仕方」を全2回シリーズでお伝えしていきます!

記事ではFitbitを取り上げていますが、基本的な考え方は他のデバイスでも同じです。Fitbit以外のデバイス(AppleWatchやGarminなど)を使っている方でも参考にしていただける内容となっていますので、ぜひご覧ください。

 

朝起きたらアプリにこのような睡眠結果が表示されました

ある日のFitbitの睡眠計測画面

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あなたはどんな感想を持ちますか?次の選択肢から近いものを選んでください。

<あなたの感想は?>

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どれにしましたか?

 

セミナーでお聞きすると、いつも大半の方が「良い眠り!」を選択されます。100点中93点だし、かなり良い眠りなんじゃないの?と思われる方が多いのではないでしょうか。 

同じ質問をニューロスペースでしてみました

さて。同じ質問を当社のメンバーに聞いてみると、回答はこのような分布になりました。赤い点線の%に注目してみてください。

<ニューロスペースの回答分布>

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あまり良くなさそう、という割合が圧倒的に多い結果となりました。皆さんからすると、「えっ、なんで?」と思われたのではないでしょうか。

その認識ギャップの理由を紐解いていくことで、1つめの有効活用のポイントがわかってきます。ではさっそくいきましょう!

そもそも眠りの良し悪しって何で判断できるの?

一言でいうと、見た目(スコアなど)ではなく、中身(睡眠の質や状態)をちゃんと自分の物差しを持って見ることが大切です。では、その中身についてどう見ればいいの?というところだと思いますが、こちらは睡眠の役割についての理解を深めることでわかってきます。

■睡眠の役割とは

睡眠は、大きく前半と後半の2つに分けることができます。そのうち睡眠の前半では、脳と身体の休息、後半では心の休息がメインに行われています。

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Fitbitの睡眠計測結果を見ると、深い睡眠やノンレム睡眠、レム睡眠という言葉が書いてあります。睡眠には、いくつか段階(ステージ)があり、覚醒→レム睡眠→ノンレム睡眠(ステージ1~4)に向かうにつれて深い睡眠になります。このうちノンレム睡眠は、脳や肉体の疲労回復のために重要だとされています。

■深い眠りが現れている時間帯もチェック

深い眠りがどのくらい取れているかを気にされている方、多いですよね。でも、もう一つ気にしてほしいポイントがあります。それは深い眠りが現れている時間帯です。

個人差はありますが、一般的には、朝の目覚めがよかった、疲れがしっかり取れたと言っている方のデータを見ると、前半に深い眠りが多く見られ、後半になるにつれて深い眠りは減り、代わりにレム睡眠が見られるようになる傾向があります。

睡眠の前半だけでなく後半にも深い眠りが出ている場合には、よっしゃ、深い眠りたくさんキタ!ではなく、眠りが足りていない可能性があることを頭の片隅に置いておきましょう。そこそこ深い眠りの時間自体は取れているのに、起きるときにとてもダルい、疲れが取れていない、という人は、そもそもの睡眠時間自体が足りていない可能性があります。

■嫌なことはレム睡眠でスッキリ!

深い眠りと比べて、レム睡眠についてよく知らない方がほとんどです。実は、レム睡眠により私たちの記憶や感情の整理が行われていると言われており、心をメンテナンスしていくためにも、とても大切な存在です。

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例えば、過去、仕事で「ミスをしてしまった」という経験を取り上げてみます。このとき「もうイヤ…明日出社したくない…なんでミスしちゃうんだろう…」とネガティブな感情になったりしますよね。これは「ミスをしてしまった」という事実と、「私はダメな人間なんだ」という情動が重なった状態ともいうことができます

ここで、レム睡眠の出番です!レム睡眠を取ることで、これらの事実と情動が切り離され、翌朝はスッキリした状態で朝を迎えることができます。

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クヨクヨ落ち込んで寝て、起きたら、少し気持ちが晴れて、まあ仕方ないか!頑張ろうと前向きな気持ちになれたという経験はないですか?よく「嫌なことがあった日はとにかく眠る」ことを実践している人がいますが、それは科学的メカニズムからも合理的な選択肢といえますね。

このポイントをFitbitに落とし込むと

睡眠の役割を理解したうえで、私たちが計測結果を見てチェックしているポイントは大きく下記の3つです。

眠りはじめから前半(3時間を目安)に「深い眠り」がしっかりと取れているか?

眠りの後半について「レム睡眠」が出てきているか?

途中で「離床」や「起床」してしまっていないか?

 

さて、このポイントを踏まえて、冒頭の93点の睡眠を見てみると、違う見え方になってくるのではないでしょうか?

<冒頭の93点の睡眠ステージ画面>

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見ると、眠りはじめに浅い睡眠がずっと続いていますね。本来はこの時間帯に深い眠りが現れていることが理想なのですが。また、途中で何度か目覚めてもいます。こちらを見る限り、長くは眠っているけれど、ん?あまりしっかり眠れていないかも?と思われます。

実際に、この93点の日の翌日に本人にこの日の眠りどうでした?と聞いてみました。すると、その日の前の日が5時間程度の短い眠りだったのだけど、そのときと大して変わらなかった、いずれにしてもそんなに良い眠りではなかったとのことでした。

1つめのポイントまとめ

「スコアで一喜一憂しない」

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スコアが高いのに、何かイマイチな眠り…とモヤッとしたら、睡眠ステージ画面を見てみましょう。睡眠も大切なのは、見た目ではなくて、中身ですね!

ちなみに、ニューロスペースのメンバーが冒頭の〇×?の回答と一緒にしていたコメントです。みんなすぐに、こういうことに食いついて真剣に語り合うメンバーばかりなのです。

Aさん:眠りはじめが浅い睡眠がずっと続いており、長い時間寝ているし途中で深い眠りも取れているが、結果的にそこまで良い眠りじゃなかったのではないかと思料。

Bさん:深夜2時からお昼過ぎまで10時間近く眠っているので、普段の睡眠不足を解消している気がしました。その日の睡眠の質というより普段の睡眠からあまり良くなさそう。

Cさん:前半浅い睡眠が続いている、睡眠時間が平均より長すぎ、寝ている時刻も遅すぎ(2時~12時)7時と11時頃に長めに覚醒している。睡眠の質が良くないから&睡眠負債がたまっているから長めに寝ているけれど、そもそもリズムも乱れているので、長めに寝ても疲れそう。

実はこのコメントの中に、次にお伝えする2つめのポイントのヒントが隠れています。それは次回の記事でお伝えしたいと思いますので、お楽しみに!

Fitbit有効活用の道(その2)の記事はこちら