従業員さんとお話すると、子育て中の方からとても切実なお悩みをお聞きすることが多くあります。
「深夜や明朝に子供に起こされる環境で、どうしても眠たい中起きることが多いのですが、どうすればいいのでしょうか」
「寝かしつけ後に起きて、いろいろやろうと思っているけど、いつも寝落ちしてしまいます」
「土日も子どもに起こされるので、平日の疲れも取れず、どんどん疲労がたまっていきます」
私も含め、ニューロスペースは子育て中の社員が多く、自分ではどうにもこうにもコントロールができない、子どもの対応に追われる大変さについてとても共感します。そして、子育て中の皆さんの眠りのお悩みのお話を聞いていくと、その背景に、自分で時間をコントロールできない苛立ち、仕事や自分のキャリアへの焦り、子育てや家事のしわ寄せやワンオペの過重な負担など、いろんな焦りやモヤモヤを抱えながら過ごされていることがわかります。
自分なりのキャリアを歩んでいきたい、今の仕事でもっと成果を出していきたい、そう思っている一方で、急激に「子育て」というライフの比率が高まることにより、自分の思い描く過ごし方ができない・・・とギャップへの苦しみを多くの人が抱えています。
今、眠りに強く悩んでいる子育て中の方は、今、きっと、とても頑張りすぎているのだと思います。まずは、自分を追い詰めないように、頑張っている今の自分を認めてあげましょう!
体調を崩さず、元気を維持できる状態を最優先にする
子育て中は、子どもから風邪をうつされたりと体調も崩すことが数多くあります。自分が寝込んでも、子育てを誰かに他の人に変わってもらえる状況ではない人もいらっしゃると思います。そのため、自分の軸を「無理をしない」「疲れをため込みすぎず、元気を維持できる状態をつくる」ことを特に意識していきましょう。
子どもの睡眠パターンを理解し、あわせていく
厚生労働省の調査から、年齢に応じて子どもの睡眠パターンに特徴があり変化していくことがわかっています。こちらも目安にしていただきながら、子どもの睡眠パターンに併せて、無理をし過ぎない生活にしていきましょう。特に子どもが1歳になるぐらいまでは睡眠が大きく不安定な状態が続き、親の睡眠への影響も出るであろうことは明らかです。
<年齢ごとの睡眠の特徴>
引用:厚生労働省「未就学児の睡眠指針」https://www.mhlw.go.jp/content/000375711.pdf
新生児期 →睡眠時間は 16~20 時間であり、睡眠パターンは 1~2 時間の覚醒と 1~4時間の睡眠を繰り返します。昼夜のリズムはみられず、日中の睡眠時間と夜間の睡眠時間はほぼ同じです。
乳児期 (3ヵ月)→ 睡眠時間は 14~15 時間とやや短縮し、3~4 時間連続して睡眠をとるパターンとなります。
幼児期 (1-3 歳)→睡眠時間は 11~12 時間程度となり、ほぼ夜間に睡眠をとるようになります。昼寝も 1.5~3.5 時間を1回とる程度に減少します。
では、お子さんの睡眠パターンを理解したうえで、あわせていく、とは例えばどのようなことをしていくとよいのか?についてです。私の場合はこちらを意識していました。
思い切って子どもと寝る!まとまった時間眠ることを優先
子どもの寝かしつけで寝落ちして「やってしまった・・・」と1-2時間で途中で起きるよりも、子どもと一緒に思い切って寝て、朝少し早めに起きる生活に切り替えるようにしていました。
これは、睡眠の観点からお伝えすると、前半の3時間の質を確保することを最優先にした、ということになります。睡眠の前半3時間は主に疲労回復につながる深い眠りが出やすいタイミングです。仮に途中起こされたとしても、前半でまとまった時間眠れていれば身体への負担や疲労感は軽減されます。例えば21時くらいに一緒に寝てしまい、深夜1時くらいのタイミングで起こされるのであれば、深い眠りも含め4時間はしっかりと確保することができます。
私の場合は、どうせ夜泣きで眠りの途中で起こされるなら、そこまでの眠りをできるだけ質の高いものにと思い、自分の睡眠パターンを子どもにあわせて変えたという事例ですが、皆さんの中で実践できそうな方はぜひ試してみてくださいね。
他に取り入れていた工夫は?
覚醒させないために、夕方以降の光を調整する
例えば、子どもと夕飯を一緒に食べる時に白いLEDの白色光などを浴びる空間で過ごしていませんか?子どもは大人に比べて光に対する感受性が強いので、夜に明るい光を浴びることで、今が朝だ!という間違った体内時計の認識をしてしまいます。また、夜になると分泌されていく眠りを促進するメラトニンというホルモンは、強い光を浴びると分泌が止まってしまいます。
そのため、私の家では、夕方以降は必ず暖色系の光に切り替えを行い、お風呂から上がったタイミングからは間接照明だけにするなど、光の浴び方にはかなり気をつけていました。
夜の眠くなるリズムを作るために、朝の光を意識する
正しい体内時計を認識させるために、朝に一緒に太陽光を浴びることも心がけていました。それによりしっかりと体内時計がリセットされるため、夜眠くなるリズムを作ることができます。朝起きたら室内の光を最大光にしておく、保育園の送りでは、ベビーカーのカバーを全開にして朝の光を浴びるようにするなど、強く意識していました。
寝る前の儀式を作る
子どもと一緒に眠るときに、常に一緒にいるお気に入りのぬいぐるみを決めていました。習慣化していくと、寝かしつけのときに子どもがそのぬいぐるみを抱きしめていると自然と眠りに入っていくようになり、寝るタイミングになったときにぬいぐるみを渡すと自然とベッドに一緒にいくようになりました。
私たちの脳は、場所としていることをセットで記憶するという特徴があります。また、寝る前にリラックスできることは副交感神経が優位になり、より眠りにつきやすい状態につながります。子どもにとっても、寝る前に自分がリラックスできる儀式を習慣化することは、少し時間はかかりますが、よりスムーズな寝かしつけにつながっていくためおすすめです。
こちらに挙げた工夫は子どもだけでなく、親(私たち)の眠りにとっても有効なものばかりです。ぜひお子さんの眠りだけでなく、自分のより良い眠りのためにも取り組めるところから、取り組んでいきましょう。