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睡眠の質をぐっと高める「お風呂の技術」~お風呂は眠りのプロローグ!~

 

毎日お風呂につかる習慣、約5000人のビジネスパーソンに聞いたところ、半分以上ができていない、という結果になりました。よい眠りをとるための観点から、ひとことでいうと「なんと勿体ない・・・」状態です。

もし、あなたが夜の数十分でもテレビやスマホを見ながらノンビリしている時間があるなら、ぜひその時間を今夜からお風呂にまわしてみましょう。それだけの価値がお風呂には隠されています。

さて、今日はこの順番にお伝えしていきます。最後に番外編として、最近急増しているサウナに関してもお伝えします。

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1.なぜお風呂に入ると睡眠がよくなるの?

2.温めるだけじゃない!お風呂の5つの作用

3.睡眠の質をグッと高める入浴の技術

4.みんなが知りたいお風呂にまつわるアレコレ

5.【番外編】サウナってどう?

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1.なぜお風呂に入ると睡眠がよくなるの?

睡眠は2つの要素から成り立っています。一つはどれだけ寝たかという「量」、もう一つは「質」です。質が良くないと8時間寝ても次の日だるいといった集中力が続かない状態になります。

では、その質とは何でしょうか。睡眠は大きく前半と後半に分かれています。前半は脳と身体の休息、後半は心の休息が行われているという状態ですが、睡眠の質は前半の3時間の間にどれだけ深い睡眠が得られたか、ということがキモになってきます。

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この前半の睡眠の質をあげるために大事になるのが、深部体温といわれる身体の内側(内臓や脳)の温度のコントロールです。人間は手や足先から体温がどんどん放熱されている状態のとき、寝つきがよくなり、かつ眠りの質も上がりやすくなります。

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この深部体温のメカニズムを使って戦略的にお風呂に入ることで、そのあと急激な深部体温の低下を起こします。この急激な深部体温の低下が起きるときに、質の良い眠りが実現できる仕組みになっています。

そして、大切なのは、寝る前に手足が冷えていない状態であることです。手足が冷えた状態だと、体の深部体温の放熱がうまくできず、寝つきや睡眠の質に影響を与えます。

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お風呂に入ることと併せて、寝る前に手足がしっかりと温まっているかどうか、湯冷めしているようであれば、寝る前に白湯などを飲んで内臓を温めてあげる、などの工夫もしてみましょう。

 

2.温めるだけじゃない!お風呂の5つの作用

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お風呂は下記の5つの作用(湯加減や水圧、浮力などの物理的作用)が働くため、気持ちが良いと感じリラックス効果も生まれます。生活の中で数十分取り入れるだけで、これだけの作用を得られるとてもコスパが良い習慣です!

①温熱作用

温熱作用は身体を温めることで血行を良くして疲労物質や老廃物質を外に出したり、自律神経をコントロールする作用が働きます。

②静水圧の作用

水圧は、水深が深くなればなるほど高くなります。水圧が下から上に血流を押し流してくれることでマッサージ効果を得ることができます。

③浮力

普段皆さんの身体には重力がかかっていますが、水(お湯)に浸かることで体重の約1/10に減るとされています。これによりリラックス効果が期待でき、関節への負担も軽減されます。

この他、④水の粘性(水の粘性を使って身体に適度な負荷をかけてあげる)や⑤洗浄作用(汚れを落とすことで、内面的に外見的にも気持ちが良くなる)もあります。

 

3.快眠のための入浴のポイント

さて、快眠のために理想的な入浴のポイントとして、以下3つを押さえておきましょう。

温度

温度は40度程度、少しぬるめと感じるくらいのお湯の温度に設定しましょう。そうすることで副交感神経が優位になるのでリラックス状態をつくることができます。逆に熱いお湯だと交感神経が優位になり身体は活性化してしまいますので、注意が必要です。

湯舟の浸かり方

10-15分程度浸かりましょう。浸かる方法については、全身浴や半身浴など湯冷めしなければ好きなやり方で大丈夫です。ちなみに、その他には身体をお湯に浮かせた状態で入る浮き身浴というものがあります。浮き身浴の場合、水圧による身体への負担が少なくリラックスしながら全身を温めることができます。
浮き身浴について詳しく知りたい方はこちら

タイミング

冒頭の1.なぜお風呂に入ると睡眠がよくなるの?でも、寝る1~2時間前に深部体温を上げてあげると、その後に良い寝つきや質を得られやすいとお伝えしました。そのため寝る1~2時間前にお風呂に浸かることがベストです。ただ、ご家族の対応やお仕事の都合上、そのタイミングが難しい場合も多いにあると思いますので、あくまで目安として考えていきましょう。

 

4.みんなが気になるお風呂にまつわるアレコレ

ここからはよくご質問いただく入浴剤やお風呂にまつわる色んなQAを載せています。

本QAは、入浴グッズを専門に扱うECサイト「バスリエ」を運営する、バスリエ株式会社代表の松永武さんにもご協力いただきました。

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入浴剤は炭酸系がおすすめ!

入浴剤は炭酸ガス系とバスソルトみたいなナトリウム系の入浴剤が人気です。炭酸ガスや水素ガスは皮膚から血中に入っていくので、身体の反応としては、「異物が入ってきたので外に押し出そう」とします。すると、血行が良くなって身体が温まりやすくなります。ぬるめのお湯でも身体が温まりやすいのは炭酸系です。
一方で、ナトリウム系になると皮膚のたんぱく質とナトリウムが反応して皮膚に膜をはってくれます。例えば、海の近くにある温泉に入るとお風呂から出ても湯冷めしにくい効果が得られますが、ナトリウム系の入浴剤も同様の効果が得られます。

市販の入浴剤は使った方が良いの?

使った方が良いです。ただ、入浴剤でなくても良いと思います。例えば、ご自宅にある重曹とか砂糖とか、昆布とかでも良いと思うんですけど、何か有機物を入れることによって、水道水に含まれる塩素を中和してくれるという働きがあります。

入浴剤はたっぷり使って!

入浴剤で大事なのは量です。温泉は、1㎏あたりに溶存物質、温泉成分がどのくらい溶け込んでいるかによって濃さが決まっています。よく市販の入浴剤で「○○温泉の元」とあっても容量が45gだと足りないことがほとんどです。※1

※1:国が定める「温泉法」によると1㎏あたりのお湯に対し、溶存物質は「1,000㎎」以上であることが定められています(例えば、200Lの浴槽だと200g(0.1%)

シャワーしかできない時は?

シャワーの時は、多くの血管が通る首筋を重点的に温めることで、お風呂ほどではありませんが効率的に深部体温を温めることができます。首の後ろで手を組み、親指を首筋に沿ってマッサージするとなお良いです!

朝風呂はどうですか?

朝、熱めのシャワーを浴びたりお風呂に入ると、身体が温められて、深部体温が上がり覚醒効果につながります。朝、なかなか頭が働かない、朝シャキッとさせたい!という人は、熱めのシャワーを浴びる習慣を試してみることをおすすめします。

お風呂で読書やスマホを見ていますが、よいですか?

お風呂でしっかりリラックス効果を得たいときは、浴室の明かりを落としてあげて目を閉じて情報を遮断してあげることが一番です。そうはいっても、お風呂での読書やスマホが楽しみという方もいらっしゃると思うので、湯冷めしない程度の時間を心がけることと、そのままお風呂で寝てしまうということにはならないように注意しましょう。

バスローブってどうですか?

お風呂後の汗や水滴はしっかり拭きとらないと、水分が蒸発する時に身体の熱を奪ってしまい、そうすると湯冷めをしたり肌の乾燥につながってしまいます。そういった時にバスローブを羽織ってあげると、身体についてる水分も、出てくる汗も自動的に吸い上げてくれます

そうすると気持ちよく深部体温を下げることができ、お風呂上がりに濡れた状態でバスローブを着てリラックスしてくつろいだり、肌のお手入れとかして深部体温が落ち着いた時にパジャマに着替えてお布団に入ってもらう、といったようにお風呂と眠りの中間エリアを担うのがバスローブと考えてもらえるとよいと思います。

 

5.【番外編】サウナってどうですか?

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「ととのう」の正体

サウナでの一連のセットの繰り返し(サウナ→水風呂→外気浴→サウナ→水風呂…)は、体の中で交感神経と副交感神経の切り替えが繰り返し行われている状態であり、自律神経を鍛えていることにもつながります。

サウナ→水風呂で大きく交感神経優位になっていたところから、外気浴で逆に副交感神経が優位となり、身体全体が一気にリラックスモードに入ります。そして、水風呂によってぎゅっと収縮していた血管が解放され、体表温度も脈拍も平常時近くに戻ります。

この、交感神経優位から副交感神経優位に自律神経がスイッチし緊張から解放されたときのホッとした感じ、自分の基準である体温や脈拍へと一旦リセットされ、リブート(再起動)されるときの、いうなれば野性的な感覚が、サウナにおける爽快感であり「ととのう」という感覚の正体であると言われています。

睡眠にとっては良いの?

最近、サウナで睡眠の質が有意になるという研究結果が複数出てくるようになりました。

睡眠の観点から見ると、寝る前にリラックスモードにするためには、副交感神経を優位にしてあげる必要があります。前述した通り、サウナのセットを繰り返すことで自律神経の切り替えを鍛える効果もあることから良い効果が見込めます。

さらに、体温分布の観点でも、深部体温を徐々に下げつつ、手足は温かい状態が続くという理想的な寝る前の体温分布の状態を作ることもできます。

サウナ室は100度近い高温で体の中心まで温めることができます。そして、サウナ室を出ると中心部の温度は少しずつ下がっていきます。しかし、外気浴によって副交感神経が活性化して、末梢の血流が増加して、通常は冷たい末梢が温まり、手足の先端はぽかぽかした状態が続きます。一方、サウナによって上がった中心部の体温は末梢に熱を奪われていくため徐々に低下します。

引用:https://diamond.jp/articles/-/230387

そのため、 リラックスモードの切り替えがなかなかうまくいかない、冷えに悩んでいる、という方はサウナを試してみることもおすすめです。実際に私の周りでも、寝る前に考えごとで頭がいっぱいになってしまってこれはマズイ!という日は、サウナに駆け込んで、ととのえてから寝ている、という人もいます。

ただし何事もやりすぎは良くないため、あくまで"適度"なサウナの入り方が前提になります。くれぐれも無理をされないようにご注意くださいね。